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ブスバーの選定方法とその選定事例

 ブスバーとは、主に配電盤や制御盤に電源を各部分に接続する導体棒のことをさします。英語表記では “bus bar” となるため、日本ではブスバーやバスバーの2つに発音されることがあります。また、素材に銅を使用することから “銅バー” とも呼ばれています。大容量の電流を分岐する際にケーブルや電線を用いるのではなく、ブスバー(バスバー・銅バー)を活用することで効率的な電源供給をすることができます。メインのブレーカにブスバーを接続することで、高さが2000mmを越えるような制御盤でも盤全体に大容量の電源を分岐することができます。その分岐方法もビスで固定するだけのため、レイアウトの自由度も出すことができます。

ブスバー簡易選定ツール

使用電流容量

計算

必要断面積
mm²

必要断面積
mm²

計算

使用電流容量

※上記計算式はあくまでも、ブスバーの簡易選定となっています。詳細な選定が必要な方は別途ご相談下さい。
算出値に関しましては、目安となっており電気仕様の保証をするものではありません。

ブスバーの選定について

 ブスバー(バスバー、銅バー)に流れる電流容量は、細かい条件等がありますが、銅帯に流す電流容量はブスバー(バスバー、銅バー)断面積によって決定されます。
 設計の際に難しくなる点として電流密度というものがありますが、“銅帯の電流密度”はJISC8480:キャビネット形分電盤規格によって値が定められています。また、電流容量が大きい場合には公共建築工事標準仕様書:キュービクル式配電盤によってその値が決定されています。ここでは配電盤や制御盤の電源を中心に記載したいと思いますので、成光工業では安全率を見て電流密度が低い値を採用しております。

< 銅帯の電流容量・電流密度・参考断面積の相互表 >

電流容量 電流密度参考断面積
100 A以下2.5 A/mm² 以下40 mm² 以下
225 A以下2.0 A/mm² 以下112 mm² 以下
400 A以下1.8 A/mm² 以下222 mm² 以下
500 A以下1.5 A/mm² 以下333 mm² 以下
1000 A以下1.2 A/mm² 以下833 mm² 以下

※ JISC8480:キャビネット形分電盤の銅バー電流密度に成光工業にて追記

 上記、断面積から電流容量と電流密度を選定する場合に、一定のブスバー(バスバー、銅バー)機械的条件を考慮する決まりがあります。

  • 銅帯の面取りや成形時の精度を考慮して、電流密度は±5%の裕度を認める。
  • 銅帯に変形やボルト穴などがあり、その部分の断面積の減少が全体の1/2以下におさまる場合は、その断面積の減少を考慮しなくても良い。
  • 銅帯の筐体外周囲温度が40℃以下を基準として、銅帯の温度上昇が温度上昇限界度K 65 最高許容温度 105℃ 以下の場合に限る。

 ブスバー(バスバー、銅バー)の定格電流値は、所定の断面積を確保していても、その周囲温度や銅帯に接触する金属の環境(表面へのメッキ処理等)によって微妙にその適応範囲が異なってきます。また、日本工業会にJIS3140で銅ブスバー(銅バスバー)の材質は合金番号C1020:C1020BB、C1100:C1100BBの金属の種類、及び質別によって導電率(20℃環境下にて)が97%~100%と僅かながらの差があります。詳細なブスバー(バスバー、銅バー)の選定が必要な場合は弊社担当者まで、個別にお問合せ・ご相談下さい。

参考JIS規格
JIS3140、JIS C 8480

ブスバーの簡易選定方法

一般的にブスバー(バスバー、銅バー)の選定は、下記の計算式と必要資料を組み合わせることで算出することが可能です。使用するパターンは電流容量を断面積から導く場合、断面積から電流容量を出す場合になります。

< ブスバー 簡易選定 計算式 >

  • 電流容量
    ( 単位:A )
  • 電流密度
    ( 単位:A/mm² )
  • ×
  • ブスバー断面積
    ( 単位:mm² )

< ブスバー 簡易選定 必要資料 >

< 銅帯の電流容量・電流密度・参考断面積の相互表 > 銅帯の電流容量・電流密度 参考断面積の相互表

ブスバー断面積

パターン①   電流容量をからブスバーの必要断面積を算出する。

目的 :
電流容量180Aを流すブスバーの必要断面積を算出したい。
条件 :
ブスバーの材質・使用条件等はJIS3140、JISC8480に準拠する。
断面積電流容量  /  電流密度
 180A    /   2.0A   =  90mm²
解説 :
電流容量が180A(225A以下)のため、電流密度が2.0 A/mm²になる。上記計算式 に180Aと2.0 A/mm²により計算すると、必要断面積は90mm²以上となる。

パターン②  ブスバーの断面積から許容電流を算出する。

目的 :
ブスバー寸法H:10mm W:20mm L:50mmの許容電流値の算出。
条件 :
ブスバーの材質・使用条件等はJIS3140、JISC8480に準拠する。
電流容量電流密度  ×  断面積
 1.8A/mm² ×  200mm²   =  360A
解説 :
使用するブスバーのHとWから断面積が200mm²とわかる。その断面積から電流密度が1.8 A/mm²と導き出せ(上記、銅帯の電流容量・電流密度・参考断面積の相互表より算出)、これらを計算式により出すと、許容電流は360A以下となる。

技術・参考資料

技術資料
防塵・防滴保護等級
電源電圧について
海外規格について
参考資料
汎用形分電盤の適用範囲 / 汎用形分電盤の用語及び定義 / 汎用形分電盤の使用状態 / 汎用形分電盤の種類
汎用形分電盤の定格 / 汎用形分電盤の性能
汎用形分電盤の構造
汎用形分電盤の試験方法
汎用形分電盤の検査